人をむやみに驚かすことは危険だと知った夜でした。

人をむやみに驚かすことは危険だと知った夜でした。

遥か昔、学生時代の事です。私の住んでいた下宿は、麻雀下宿と言ってもいいほど麻雀の好きな学生がたくさんいました。その中でも一つ学年が上のTという学生がいました。この人が一番麻雀が好きだったと言えます。この人の不思議な行動に、人にものを売るという行動がありました。ある晩は、ひどく赤いセーターを持ってきて、「安くするから」と売りつけました。断りたかったのですが、私は浪人しましたので彼は同い年です。「先輩」にあたるわけですから仕方なく買っていました。一週間して、またやって来て、安物のサングラスを買わされました。おそらく麻雀ですったのでしょう。その下宿に私と同じ学年のAがいました。彼は中国語にはまっていて、私にまで教えました。私はあまり関心はなかったのですが「聞き役」に徹していました。ある晩彼の部屋にいた時、Tの声がしました。おそらくAに物を売りつけるのだろうと思った瞬間、私の心にいたずら心が湧いて来たのです。私は部屋の物陰に隠れました。Tが入って来た時、私はネコの鳴き声を真似て、笑いをこらえながらも自分でもネコそっくりだと思いながら小さな声を出したのです。TはAに言いました。「何かいるぞ、ほら、何かいるぞ」と。その瞬間、私は物陰から「ニャー」と大きな声を出しながら、両腕を大きく広げてTを驚かせたのです。予想外のことが起きました。Tは「ワー」と叫びながら、傍らにあったものを手当たり次第に私に投げつけ始めたのです。あまりの反応に私も驚き「僕ですよ、僕ですよ」と言ったのです。彼の目が大きく開かれ、手が止まりました。Tが小さな声で言いました。「なんだ、お前か」と。そして静かに去って行ったのです。彼が去った後、私とAは話し合いました。Aも驚いたようでした。私の行動に驚いたのか、Tの行動にか、それは定かではありませんでした。もしかしたらと私は思いました。Tは猫が大変苦手だったのではないかと。こんな話を聞いたことがあったのです。ある人がいたずらで小さなクモを友人に見せたそうなのです。その友人の最も苦手だったものがクモだったそうで、その人たちがいた温泉旅館の二階から飛び降りてしまったそうなのです。真偽のほどは定かではありませんが、人には一つはとても苦手なものがあるのではないかと思うのです。これは予想ですが、Tは感情の混乱を攻撃で表したのかもしれないのです。私はむやみに人を驚かすことは、これ以降していないのです。スカルプ シャンプー

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